2012年9月20日木曜日

ブルージーな朝

 今日はこれです。「ブルージーな朝」。

 稲葉さんの中では珍しい、女性を主人公に据えた曲なんですね。

 朝の陰鬱としか感じがじっとりと表現されている曲だと思います。
 自分から主体的に動く活力全てを失い、何となく、他人の不幸せを願い、また自分自身のそれを呪うような…。

 「来るはずのない電話」「あの人はどう思う」「電話が鳴り出した 神様に祈る」あたりから、恋人(過去の話?)との関係がうまくいっていないことが推測されます。
 多分このへんの解釈は人によって別れるんじゃないかな~と思いつつ、一応私の見解を書きますと、この主人公と恋人は最近うまく行っておらず、しかし主人公は恋人のことを今でも想っている、しかし関係の更なる崩壊を恐れて、自分からは電話できない、そして電話が来て欲しいとは思っているものの、それが自分たちの関係をプラスに持っていくものであると「神様に祈」っているような状態なのではないかと…。

 まあこのあたりの事情がどうであれ、稲葉さんが表現したかったのは、陰鬱に沈む女性の魅力といいますか、沈んだ表情の美しさなのではないかと。他の曲を聞いていて感じるのですが、稲葉さんは、どうも女性の陰の部分に惹かれることがあるような気がします。この歌は、そんな稲葉さんの持つ性癖のひとつに対してピンポイントでスポットを当てたものではないかと思います。

 そして私自身も、この歌に示されている、陰鬱に苛まれ、「びしょ濡れが気持ちいい」など、自傷的な衝動を孕みながら、なお「来るはずのない電話」=温もりを求める女性像の美しさ?官能美?に、何となく感覚で、魅力といいますか、惹かれるものを感じる次第です。

 このあたりの、じっとりとしたマイナスエネルギーに美的感覚を見出すのは、稲葉さんの歌詞の魅力の一つだと思っています。