2014年1月13日月曜日

掛け算ってすごいよな

掛け算を考えた人はすごい、というよりも、こういう人の論理を構成する上で、基礎となる考え方を作りだし、それがまだ現代に生きているということそのものがすごいのだと感じる。

というのは、私が、何か発展的なものを作ろうと思ったら、常に掛け算的な思考を、人間は使わざるを得ないのではないかという考え方を持っているからだ。

古代の人間は、それこそ1とか0を考えだして、今の人間が物事を論理的に考える上での基礎を作った。
そういう基礎的な概念の発展の集合が、今の社会であり、人間の知能なんだと思う。

まあ、そんな中でも、今ことさらに強調したいのは、掛け算がいかにすごいものなのかということだ。

認知心理学的な知識の中に、「チャンク」というものがある。これは人が物事を記憶したりする上で、人間の脳というものは、個人差はあれど、最大8個くらいのものしか一度に覚えられないというものだ。
しかし、その「8個」という数字をどのように扱うかによって、記憶量は飛躍していくのである。つまり、8桁の数字をただ単純に覚えるよりも、それぞれ関連づけしたり、ゴロなんかに落とし込むことによって、それを「1個」として認識すれば、その8倍のものを一度に記憶することが可能なのである。

ここで挙げた話は正確には除算なのかもしれないが、しかし、この考え方、方向性こそが、重要だと思っている。


何か高度なものを作り出そうとするときに、いきなり細部から入っていくのはうまくないやり方だと思う。
例えば、絵を描くときは、漠然としたラフや、アタリから入ることが王道とされている。いきなり目を描き始めると、全体のバランスが崩れやすい。
文章を書くときは、最初に見出しを作ることが良い。いきなり書き始めると、終着点がぶれる。
プログラムを書くときなんかがまた顕著なんじゃないかと思う。いや、慣れている人は、何かを作ろうと思ったときに、自然とコードが頭に浮かんでくるのかもしれないが、私が仕事で簡単なExcelマクロを組むときは、まず処理の動きを箇条書きにし、処理の全体の流れを決めてから、細部のコード書きに取りかかっていく。

こうすることで何が良いかというと、色々あるが、下記の点が挙げられると思う。
・全体を気にするフェーズと細部を気にするフェーズが明確に分離するので、それぞれにおいて、能力を最大限、今の作業に集中させやすい。
・作業を計画性のあるものにしやすい。また、現在の進捗度を把握しやすい。


今、この世界にあるもののほとんどが、恐らく、人間の脳では一度に処理しきれないほど高度なものばかりだ。しかし、これらを作ったのは全て、人間である。人間は、ものを作成する上で、自分の脳で生み出した情報を記録や、整理することで、より高次元の概念を、この世に召喚することに成功した、と思う。


そして、この整理という段階で、現在人類が普遍的に使用しているのが、掛け算の概念だと思う。

考えてもみてほしい。何故この世にあるものは、そのほとんどが四角もしくはその集合体である直方体をしているのか? これこそが、人間が、物事を「掛け算」的に思考することで、より高次の処理能力を獲得した証拠ではないだろうか。

要するに、四角という形状は、X、Yという2つの数値で簡単に表せるのである。そして、さらにZを加えることで、空間が生まれる。たった3つの数値だけである。この三次元の概念を用いると、(少なくとも私たちが認識している世界の上では)全てのものの位置関係というものは、このX,Y,Zという数字から絶対に解放されることはない。これは、この三次元の概念が優れているというよりも、私たちが用いている、思考の最も基礎的な部分において、この認識方法が採用されているということだ。


掛け算の発明と、その広まり・伝達によって、私たちの祖先の知能の進化の方針が、強力に決定されたと言えるのではないだろうか。これはもはや、人間という種が持つひとつの特性である。



また、上記の話をふまえて、私が何を言いたいのかというと、であるならば、私たちが思考を「進化」、つまりまあ、難しい概念を理解したいだとか、仕事ができるようになりたいだとか、高度な作品やサービスを作りたいとか、そういった今までできなかった難しいことを考えたいと思ったとき、使うべきは掛け算の概念でしょうと。むしろこれしかないでしょうと。これしかないのなら、もうこれは確実な王道でしょうと。そういうことが言いたいわけです。


私は、物事を考えるときにエクセルにまとめますが、それが完成したとき、つまり、美しくエクセルの表にまとめられたとき、人はその物事を完全に理解したと言っていいと思います。もちろん、エクセルの表は何枚にもなる可能性があります。なぜなら、一枚の表は、AとBを掛け合わせた、平面に過ぎないからです。ここにC、Dといった数値を「掛け算」していくことで、さらに概念は立体感を増し、高度になっていきます。
エクセルの表に物事をまとめることは、どちらかというと除算と表現するのが的確かもしれませんが。まあ要するに、理解するときは除算、作り出すときは乗算と考えておけば、まず間違いないと思います。


結局、部屋の整理とかも、除算だと考えて間違いないと思います。そもそも整理とはなんですか。服を種別ごとに分けてタンスにしまうのは何故ですか。そうすることで、全ての服の位置を、いちいち頭で記憶しておく必要がないからではないのですか。書類をファイルに綴じてインデックスと見出しをつけるのは何故ですか。欲しい情報に対し、アクセスを容易にするためではないですか。


情報は、掛け算をすることで増やしていくべきだ。XやYといった一つの数値をあまり法外に多くすることは無益である。4に250を掛けて1000に至るよりも、4を5乗して1024に至るべきなのである。



このことを意識すると、何か強大な壁に自分が当たったときに、自分が取るべき行動、するべき考え方がおのずとわかってくるような気がする。乗算して思考することは、私たちが大空に飛び立つために得た翼のようなもので、乗算を積み重ねていけば、どんな高いところにも行けるはずなのである。


恐らく、乗算的な思考は、みんなどこかで無意識にやっている/やっていたのではないかと感じる。私は、これから、この思考を唯一無二の真実として、強く意識して生きていこうと思う。なぜなら、このことは、この世の中で生きていく上での、真理のひとつと言っても過言でないと思うからだ。